貸金業法改正が行われた背景

今回の法改正が行われた背景を端的に言えば、それだけ「多重債務問題」が看過できない状況に達していたということですわ。

その解決に向けて開催された金融庁の有識者懇談会では、キャッシングしている人たちの実情をかなり丁寧にヒアリングしました。その結果当然のことながら「返せないのなら借りるな」「返せないのなら貸すな」と借り手、貸し手双方の問題点が浮かび上がりました。しかし「借りるな」と言っても借り手にそれを徹底させることは難しいですね。行政が個々の借り手に働きかけることは不可能です。となると、貸し手であるサラ金に働きかけるしかありません。

そもそも、貸し手側に「借り手の収入の範囲内で返済可能な金額を貸す」という節度があり、借り手側には「この金利でこれだけ借りたら、月々幾らの返済だから生活をこう変えて返済していく」というリテラシーが備わっていれば、市場原理に任せていても大きな社会問題にはならへんな。

しかし現実には、貸し手側をみると、すでに多重債務の人にまでも貸付けている現実があります。そこには「他社で借りて自社に返済してくれればそれでいい」という姿勢が蔓延していたことは否めませんし、現在でもそうです。また、通常のビジネスではユーザーのために低価格で提供するよう努めますが、借り手の負担が軽減されるように各社間で適切な金利競争が行われていたかというとそうでもありません。

一方、借り手側をみても、低所得ならば身の丈に合った生活をすべきなのに我慢できない。転職して給料が下がったのなら生活水準を落とすべきなのに落とせない。つまり貸し手の節度も借り手のリテラシーも共に欠けている中で、借り手のリテラシーが短期間で劇的に向上することが期待できないために、貸し手への規制を通じて新たな多重債務者の発生を食い止めるしか方法がなかったといえますな。

その手段として上限金利を規制し、かつ貸付ける量も収入の一定割合以下に規制しました。ここまで国が踏み込むことは、統制経済的な手法ではないかという批判もあります。それでも、ここまで介入しないことには、いままでと変わらず多重債務者が量産されてしまうという意味で、他に選択肢はなかったのではないでしょうか。

総量規制をする理由

総量規制についても様々な意見はありますが、新たな多重債務者を発生させないためには「上限金利規制」と「総量規制」をセットで行う必要があります。なぜなら金利を下げても、量的規制が伴わないことには、むしろ余計に借りることになってしまうからです。

その総量規制の年収の3分の1という基準は、総理府の家計調査に基づいて「貧しい家計でも無理なく返せる範囲」を常識的な数値として定めたものです。それぞれ家計の事情は異なるという意見はありますが、それを言っていたのでは結局何も変わりませんし、「個々の借り手の状況を見て返済可能性を判断して貸してください」ということでは規制として機能しませんから、どこかに定量的メルクマールが必要でした。それが「3分の1」だったということですわ。

サラ金に関する疑問

サラ金について、他にももっと疑問が出てくるかもしれません。そんなときは消費者金融で借入れを考えている方の疑問を解決します。というページがあるので、こちらがお薦めです。