理解されないマーケット

「金利が下がったら貸せなくなるという意味がよくわからない」と言った国会議員がいよった。数年前の法改正議論のさなかにです。リスクに応じて決まる金利の意味も、われわれの「無担保・無保証」の融資ビジネスが個人の「信用」に対して融資するものであることも、国会議員のおっさん達には正しく理解できない。いかにわれわれのビジネスが世間に誤解されているかを象徴する発言でした。

2006年来の法改正の議論が、こうしたサラ金ビジネスの本質を理解されないまま進められてしまったことが残念です。当時を振り返ると、業界の主張はしょせん"業界の論理"だとして、社会から広く聞く耳を持ってもらえない状況にありました。

データ整備

今回の法改正の経緯を振り返ると、その目的は「多重債務者をゼロにする」ことでしたが、そもそも多重債務者の定義は何ぞや。サラ金のユーザーは複数件の借入れを余儀なくされている場合でも、ほとんどのユーザーは破綻なく取引されて最後には完済されます。たとえ同じ収入の人であっても、家族構成や生活スタイルなどによって、無理なく返済できる金額は異なるはずです。

結局一部の負の事例がユーザー全体のことであるかのようにとらえられ、多勢を占める健全なユーザーへの視点がないまま議論が進んでしまいました。それに対してわれわれも、客観的なデータを示して利用実態の理解をいただく努力が不十分だったことは反省せんといかん。今後はそうした時事の積み重ねによるデータの整備を行う必要を感じます。

今後それができるのは2007年12月に発足した「日本貸金業協会」ではないでしょうか。裏付けデータを示し、われわれ業界としての意見提案を行う、そういう役割を同協会は担っています。そうした提案に耳を傾けてもらうためにも、自ら制定した自主規制ルールを尊守し、コンプライアンスの徹底を図らなければなりません。さらにこれまでJCFAなどで長年培ってきた心理ケアや家計管理を伴うカウンセリングのノウハウを新協会に引き継ぎ、業界としても多重債務者を生まないために、返済困難に陥ったユーザーへの早い段階でのフォロー体制を強化する必要があります。